【男はつらいよ お帰り寅さん】驚きの復刻映像技術と込められた想いとは

皆さんこんにちは!スマイルピクチャーズ福島の本多です。

突然ですが、皆さんは、山田洋次監督作品、渥美清さん主演の「男はつらいよ」をご覧になられたことはありますか?

1969年(昭和44年)8月27日にシリーズ第1作目が公開された「男はつらいよ」は長年にわたり愛され続け、48作品にもなる世界最長のシリーズ映画としてギネスブックにも認定されました。

そして、8月27日は『男はつらいよの日』ということで、今回は昨年50周年を向かえ復刻し映画化された「男はつらいよ お帰り寅さん」の皆さんにも知ってほしい映像制作技術について書かせていただきます。

この映画の中には、今まで撮影されてきた過去の作品映像が使われています。

しかし昔の映像は

・カクカクする
・音や映像が飛んでしまう
・画質が荒い

など現代の映像と見比べると違和感を感じてしまい、映像に集中する事ができないというイメージをお持ちの方も多いと思います。

しかし、そのような違和感をまったく感じさせないのが、この映画のすごいところ!
その秘策は「4Kデジタル修復」という技術の進歩により実現されました。

例えば「4Kデジタル修復」の例をあげると、

・元となったネガフィルムのコマが欠落しているために起こる「コマ飛び」シーン部分を、前後のコマから取り込んだ画像を加工して、その間をつないで違和感なくコマを再現する。
・照明やフィルム、カメラなどが変わることで、セットの色味に差が生じてしまいますが、そこを当時のカメラマンの方などと一緒に、できるだけシリーズを通して違和感がでないように均等に調整する。


などがあります。

そして、私が一番驚いたのは、
奥で世間話をしている寅さんの会話が、修復前は全く何を話しているかが分からなかったにも関わらず、修復後は会話の内容などの細かい音も聞き取れるようになったり、出演者の読んでいる本などの細かい文字情報が、画像の修復によって明らかになったというのです!

また1本の映画を修復するには、最低3カ月〜半年は時間がかかるそうで、とても細かく大変な作業で、たくさんの時間がかけられて実現されたことを感じました。

▼下記のリンクをご覧いただくと、修復前と後の映像の違いが分かります。
【映画『男はつらいよ』4Kデジタル修復/コマとび・ゆれの補正動画】

しかし、なぜその様な大変な作業の中で、技術が開発されて50年にもわたる長編シリーズの映画映像の復刻が実現できたのでしょうか?

調べていくうちに、そこには制作者の、

「男はつらいよ」の映画復刻するにあたり、邪魔になるものひとつひとつを丁寧に取り除き、どんな世代にも心から楽しんでいただける映像にしたい

という思いがあったからだということを知りました。

見てもらいたい若い世代に対して「映像にのめり込めなくなり、見るきっかけを失くしたくない」、「撮影当時からの時間の経過が感じさせてしまうハードルを取り除きたい」という思いで制作されていたり、リアルタイムで見ていた方に「以前と何かが違う」と思われないように、ただ映像を綺麗にするだけではなく質感を残しつつ再現していくなど、見る人の立場に立って、見たことがある人でもまだ見ていない人でも、「より多くの人に見てもらいたい」という思いをとても感じました。

また、私は、「男はつらいよ」の復刻版が制作されたことを通して、映像は残したい思いや伝えたいという思いが積み重なって技術もどんどん進歩し、長く後世に残されていく「永遠性のあるもの」だと感じました。

私も映像制作をする身として、見る側の立場になり、「残したい」と思われる様な作品制作を目指して頑張って参りたいと思います。

皆さんも実際にご自身の目で「4Kデジタル修復」のすごさを確かめてみてください。
映画を見ることで、50年以上たった今も愛され残され続けている理由はなぜなのか、作品からのメッセージを感じとることができるかもしれません。

今回参考にさせていただいた記事はこちらです。↓
https://www.shochiku-home-enta.com/f/4k-digital-interview
「4Kデジタル修復」についてより詳しくご理解頂けると思います。

そして、ただ今「男はつらいよ お帰り寅さん」はブルーレイ&DVDでレンタルしています!

~おまけ~
・最後に寅さんの名言をひとつ☆
「ああ生まれてきてよかったと思うことが、人間何べんかあるじゃない。そのために人間は生きてるんじゃないかな?」

・弊社、金藏が編曲しました「男はつらいよ」です!

この記事を書いた人

本多光

本多光

株式会社スマイルピクチャーズ フォトグラファー